デザインとは日常を未知化すること-デザインのデザイン(原研哉)
推薦御礼。某美大優等生男子による推薦本「デザインのデザイン(原研哉著)」。
鳥肌立つくらいデザインを感じ、果てしなくデザインがわからなくなり、そしてデザインと向き合いたくなる。そんな一冊。
コップから皿まで、微妙に深さの異なるガラスの容れ物が何十もあなたの目の前に一列に並べられる。グラデーションをなすその容器の中で、どこからがコップでどこから皿であるか、その境界線を示すようにと言われたらどうだろうか。(まえがきより)
「コップ」という単一であったはずの日常が、無数に広がることで「コップってなんだろう?」と未知化される。しかし、それを通して、新たなコップの姿を再発見することもできる。
このように無数にある見方を意識して、それを日常のものに反映したり、再発見することがデザインすることだという。
本書にはコップを並べるかのごとく、
デザインの歴史/ものを再構築するデザイン/なにもないがすべてある/脳に情報を構築するデザイン/欲望をエデュケーションするデザイン/日本のデザイン
と、様々なデザインの側面が並べられ、語られていく。
「デザイン」という単一であったはずの日常が、無数に広がることで「デザインってなんだろう?」と未知化される。しかし、わからなくなることで、新たなデザインの姿が見えてくる。まさしくデザインをデザインする本だった。お見事。
- 作者: 原研哉
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/10/22
- メディア: 単行本
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