朴鍾佑のメダルが剥奪されなくて、オリンピックもテキトーだなあと思った件。
(前略)
朴は2─0で勝利した日本との3位決定戦終了後、ファンから手渡された「独島は我が領土」と書かれたボードを掲げて物議を醸した。
同選手は表彰式を欠席したが、国際オリンピック委員会(IOC)から銅メダル証明書が届いたという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121204-00000034-reut-spo
あら。メダル剥奪されなかったんですねえ。
これ、「韓国人がー」とかはどうでもいいんですが、オリンピックで政治的主張をした選手がメダル貰えてしまったことが問題ですね。
オリンピック憲章(http://www.joc.or.jp/olympism/charter/pdf/olympiccharter2011.pdf)によれば、
2.1 個々の競技者およびチーム関係:
一時的または永久にオリンピック競技大会に欠格とすることあるいは除外すること、また失格または資格認定の取消し。失格または除外の場合、オリンピック憲章違反に関係して獲得したメダルや賞状はIOCに返還されるものとする。(略)
とあります。もちろん政治的活動は
3. オリンピック開催場所、会場、他のオリンピック・エリアにおいては、いかなる種類の示威行動または、政治的、宗教的、人種的な宣伝活動も認められない。
と禁止されていますので、このルールが厳密に適用されるとしたら、メダルを返還するしかないわけです。
まあでも、だからと言って、すぐにメダル剥奪だ!うぎゃー!!というのも早計でして、ルールってのは慣習や解釈によって適用のされ方が違います。
慣習を知るためには、過去の事例を見るのが手っ取り早いです。
実際にオリンピックであからさまに政治的主張をした選手というのは、調べた限りふたりしかいません。
それだけ「政治的活動はタブー」というオリンピックの精神は慣習的に守られてきたということでしょう。そして、そのふたりの政治的主張をした選手(どちらも人種差別に反対した選手)はオリンピック村から追放され、メダルも剥奪されています。
(詳しいことはWikipediaのブラックパワー・サリュートで)
つまり、慣習的にも政治的主張はタブーで、それをした選手はメダルを返還しなくてはいけないということです。
そう考えると、朴鍾佑のメダルが剥奪されないのは理解できません。
考えられるとしたら
・慣習が変わった
・朴鍾佑の行動は政治的主張とは解釈されない
ということでしょう。
自分としてはどちらもあり得ないのですが、もしそうだとしたら、IOC(オリンピック委員会)がその説明をするのが道理じゃないですか。おそらくは韓国側から圧力がかかって、事なかれ主義で、うやむやにしようという魂胆なんでしょうけど。
こういうのを見てるとオリンピックってのは結構テキトーに運用されているのかもなと思えてきて哀しくなってきます。