最近読んで面白かった小説数冊
覚え書き的に。
家族八景/七瀬ふたたび/エディプスの恋人(筒井康隆)
筒井康隆の七瀬三部作。主人公が人の心を読めるという、ありがちな中二病設定だが、登場人物たちが気持ち悪いくらいに欲深いので、中学二年生が読むにはまだ早い。最終作の「エディプスの恋人」では、読みながら鳥肌の立つ「神体験」をした。人生初の「神体験」。そのせいで、その日の夜は眠れず。睡眠不足になりたくなかったら、読むな。それでも「神体験」したかったら、読め。
以前に紹介したから省略。(こいつ→)同シリーズの他の作品も何冊か読んだけれども、やはりこれが一番完成度が高いと思う。
未来いそっぷ(星新一)
今まで読んだ星新一の中で一番好き。イソップ物語を今風に、現実主義的に、書き直しているショートショートストーリー。斜めに構えた世界だけれども、楽天的な雰囲気があるから精神衛生上にも悪くない。1話読むごとにニヤけてしまう。
いわゆる徹夜小説。ストーリーがテンポよく進み、後ろが気になってしょうがない。3冊一気に購入しないと、不幸になる。そして、実用性も高い。誰でも悪質なエセ科学、新興宗教に騙され得るということを実感できる。実際に、読みながら僕も半分騙された。擬似世界で、「騙された」という経験をできるのは大きい。
回転木馬のデッド・ヒート/蛍・納屋を焼く・その他の短篇集(村上春樹)
どちらも短篇集。村上春樹の作品で初めて、価値観が揺れた。「読みたい」ではなく、「読まなければいけない」必読書的2冊。見たくはないけど、目を逸らしてはならない現実が詰まっている。正直に言うと、今はまだ読みたくなかった。後回しにしたかった。だいぶ先のことになるだろうけど、必ず再読することになると思う。
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