「納屋を焼く」がトラウマ
「蛍・納屋を焼く・その他の短篇集」に収録されていた「納屋を焼く」がトラウマになっている。
読み返したいんだけれど、まだ読み返せない。だから、解釈もなにもできたもんじゃないけれど、載せておく。
「納屋」は比喩的なものか、それとも単純に納屋そのものを言ったのか。おそらく、作者はどちらも意図していないし、意図しているとも言えるだろう。つまり、読者のご想像にお任せしますと。
確かなことは、
「僕のすぐ近くにある納屋が焼けたが、僕はそれに気づいていない」ことと、「彼女は消え、彼女が唯一信頼していた僕でさえも、1年後には忘れかけている」ということだ。
「存在」というものは誰かが認識することで、初めて成り立つ。逆に言えば、認識されていないものは、どんなに近くにいても存在しないのと同義だ。
今この時も、自分のすぐそばにある「納屋」のことに気づいてないかもしれないし、自分自身が「納屋」になっているかもしれない。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1987/09/25
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 76回
- この商品を含むブログ (160件) を見る