封印再度(WHO INSIDE) 森博嗣―ずるすぎるミステリィ小説

以前に書評した「つながる読書術(→http://taroo.hateblo.jp/entry/20121121/1353489862)」に

 

本を読みなれない人にも、おすすめしたい。ミステリーとしての仕掛けが完璧なのは勿論のこと、登場人物や感情のひだが細やかに書きだされ、映像化して読める。

 

と紹介されていて、気になったので読了。

 

 

いろいろと、ずるい作品。

 

まず、作者がずるい。森博嗣

工学部助教授という、バリバリ理系な肩書きを持っていながら、小説まで書いているとかね、もう。天は二物を与えないんじゃねーのかよ。

 

それも、良い意味で理系らしくないから、本当にずるい。

 

心理描写はうまいし、キャラはやたらと人間味があって魅力的だし、芸術に関しても造詣が深いみたいだし。なんかラブストーリー入っているし。

お前、本当は文系だろ?と思ったら、

最後にトリックを解明するときには、理系の面目躍如で、科学的で実に恐ろしく綺麗にすべてが繋がってしまうっていうね。

 

てか、綺麗すぎて、トリックの情景が頭にこびりついてしまったくらい。

子供の頃、コナンとか金田一少年とかアニメで見まくったけど、トリックは何ひとつも覚えてないぞ。それが健全でしょ。

でも、こいつはあと10年は頭から抜けそうにない。

出来の良い知恵の輪が解けたら、それが忘れられないのと似た感じ。描写も上手いから、なおさら。ずるいわ。

 

しかも、タイトルまでもがずるい。

封印再度」で、英訳が「WHO INSIDE」。なにこれ?

作者のドヤ顔が、目に浮かび、腹が立つ。

 

そんでもって、これシリーズ物らしくて、全10巻あるらしい。おいおい。ヨマズニイラレルカ。

やめてほしいくらい時間盗られるわ。睡眠不足になったら訴えてやる。

 

あーずるいずるい。ずるすぎる。

 

封印再度 (講談社文庫)

封印再度 (講談社文庫)