書評

Google音声検索にも通じた発音法則―「怖いくらい通じるカタカナ英語の法則」

著者は脳科学者の池谷裕二。「はじめに」と「おわりに」の脳科学から見た言語に関する考察が秀逸。俺がいつまでたっても "R" と "L" を聞き分けられない理由も、韓国人が "ビル" と "ビール" を同じ発音だとか主張する理由も分かった。 生後2日~5日の赤ち…

色彩を持たない多崎つくる(略 の感想にもならない感想

本屋で多崎つくるが平積みされているのを見て突然、「この流行という名のビッグウェーブに乗らなければ!」というミーハー魂が降臨。 と同時に、「1800円も払ってられるかボケ!」という乞食魂も降臨。 相反する命題(笑)を弁証法(笑)的に処理して、…

最近読んで面白かった非小説数冊

文章を異様に書けなくなるときがあるけれど、今がそのときみたい。かなりむかついてきたから、ひと言紹介で終わらしてみる。 1,先生はえらい(内田樹):反権威的なひねくれた僕が、心から「先生はえらい」と思いたくなりました。 2,貧困大国アメリカ(…

「納屋を焼く」がトラウマ

「蛍・納屋を焼く・その他の短篇集」に収録されていた「納屋を焼く」がトラウマになっている。 読み返したいんだけれど、まだ読み返せない。だから、解釈もなにもできたもんじゃないけれど、載せておく。 「納屋」は比喩的なものか、それとも単純に納屋その…

最近読んで面白かった小説数冊

覚え書き的に。 家族八景/七瀬ふたたび/エディプスの恋人(筒井康隆) 筒井康隆の七瀬三部作。主人公が人の心を読めるという、ありがちな中二病設定だが、登場人物たちが気持ち悪いくらいに欲深いので、中学二年生が読むにはまだ早い。最終作の「エディプ…

封印再度(WHO INSIDE) 森博嗣―ずるすぎるミステリィ小説

以前に書評した「つながる読書術(→http://taroo.hateblo.jp/entry/20121121/1353489862)」に 本を読みなれない人にも、おすすめしたい。ミステリーとしての仕掛けが完璧なのは勿論のこと、登場人物や感情のひだが細やかに書きだされ、映像化して読める。 …

なかなか走り出せない人が読むべき2冊+1スレ

比喩的な意味じゃなくて、純粋に「走る」という意味で。ジョギング、ランニング。 精神的にきついことがあったときには、とにかく走るのが僕の習慣。 走った後の、脳内がリセットされて気分が晴れる快感はたまらないし、癒しでもある。まさに脳内麻薬。なか…

人生100回分得します。-「つながる読書術」

一日に10冊以上、今までに10万冊以上もの本を読んできたという著者による読書術。ぶっちゃけ言うと、読書術にはあまり興味なくて(失礼!)、巻末にある推薦本100冊のリストが欲しくて購入。 10万冊のうちの100冊ですよ。単純計算で1000冊に…

18禁だね、「はじめまして数学1,2,3」。

3部作の最後をまだ手に入れてないけど、まあいいや。 人生で初めてマイナス×マイナスがプラスになることが腑に落ちて、そして、虚数を心で感じられるようにしてくれた本です。 しかし、それだけに強力で非常に危ない面もある本です。 副作用として、 ・無限…

「世界征服」は可能か

世界征服をしたあと、なにをするか? 世界征服をするだけで大仕事です。「燃え尽き症候群」にならないためにも、まずは「目的」を決めましょう。 p.80より こんなことがしれっと書かれている、世界征服指南本。 DEATH NOTEの夜神月のような独裁者タイプ、ド…

また春樹を読んでしまったことについて

村上春樹はエッセイで好きになって、ノルウェイの森で苦手になった。そして、最近また、短篇集とエッセイで好きになった。読んだのは「村上朝日堂」と「カンガルー日和」。 「朝日堂」はエッセイ集。一つひとつのエッセイがとても短いからすぐに切り上げられ…

デザインとは日常を未知化すること-デザインのデザイン(原研哉)

推薦御礼。某美大優等生男子による推薦本「デザインのデザイン(原研哉著)」。鳥肌立つくらいデザインを感じ、果てしなくデザインがわからなくなり、そしてデザインと向き合いたくなる。そんな一冊。コップから皿まで、微妙に深さの異なるガラスの容れ物が…